特別の支援を必要とする幼児に対する理解を学ぼう!

2019/06/10(月)

本校のこども環境科では、教育の基礎的理解に関する科目の一つとして、「特別の支援を必要とする幼児に対する理解」を開講しています。

講師は山梨県立大学 教授の阿部美穂子先生。長年に渡り、特別支援教育に携わってこられた障がい児保育のスペシャリストです。

こども環境科1年生は木曜から日曜までの4日間、15講の集中講義を受けました。授業では、発達障害や軽度知的障害をはじめとするさまざまな障害、または障害に至らない困難さにより、特別の支援を必要とする幼児が、実感や達成感を持ちながら活動し、生きる力を身につけていくための教育(保育)を学びました。

その困難さを理解し、個別の支援の教育的ニーズの方法を学び、関係機関と連携しながら組織的に対応していくために必要な知識や支援方法等についても細やかに学んでいきました。

考える力は、知的障がいがあっても育ちます。こどもがやりたいという気持ちを大切にし、自発的に活動しながら幸福感や達成感を感じ成長していくことを、ムーブメント教育療法※1の演習を通して学びました。

※こころとあたまとからだの総合的な支援をしていこうという運動の教育。本校は道内で唯一認定ムーブメント教育療法初級指導者の資格が取得できます。

写真左が山梨県立大学 教授の阿部美穂子先生。この春まで北海道教育大学釧路校の教授として本校の教育に深く関わってくださっていました。写真右側は札幌から参加した聴講生のお二人です。
美穂子先生の多くの経験談を交えた優しい語りかけで、障がいとは何かを深く学んでいきます。目も見えず知的障害がある6歳のAくん。Aくんはある日「ごめんね。僕、目が見えないからB子ちゃんの顔が覚えられないんだ」と美穂子先生を驚かせます。たとえ数を3つまでしか数えられなくても、Aくんの思いやりの『心』はちゃーんと6歳に育っていたのです。(涙)
グループに分かれて課題や問題、解決方法について話し合いました。それらをまとめ、発表。学びを共有していきます。
ムーブメント教具のカラフルなスカーフを使って演習を行いました。あたまとからだを使い短時間で変身ごっこを。何に変身できるかな?グループで知恵を出し合いました。
楽しいひと時にこころも嬉しくて、思わず大爆笑。教室中、笑顔があふれていましたね。

半透明で柔らかな素材のスカーフはいろいろな遊びへ応用できます。変身ごっこや見立て遊びはもちろん、引っ張りっこやボールの変わりにしたり、ハンモック状で遊んだり、目の前にかざすと瞬時にファンタジーの世界へ。ムーブメント教具を使っての遊びは無限大へ広がっていきます。そこには笑顔とファンタジーと愛があふれていました。障がいがある人も無い人も一緒に学べる環境をめざして。ここから未来!

*認定ムーブメント教育療法初級指導者の資格を取得できるのは、全国で3校のみです。(他の2校は鎌倉女子大学と和光大学)