自然と環境を学ぼう〜市立博物館編

2021/09/06(月)
自然と環境を学ぼう〜市立博物館編

本校は、自然と人間を愛する教育(無条件受容)の教育理念のもと、「自然と環境」の授業を開講しています。本教科の担当者はくしろせんもん学校 環境・教育センター長である大西英一先生です。北海道の教壇に立つ最高齢の大西先生は、長年の自然環境における研究知識をご教授くださっています。

この日は、学校バスにて釧路市立博物館へ赴き、校外学習を行いました。
地方都市に存在する博物館の中でもトップクラス、豊富な展示内容や展示規模を誇り、また、建築物としても有名な釧路市立博物館を見学しました。
釧路の大地や生物の歴史、先史時代の学びと遺跡、釧路の植物120種の展示物や春採湖ロックガーデンなど、大西先生からの貴重な解説を聞きながら、学生たちは興味深々な表情で学んでいました。
釧路市立郷土博物館が誕生したのは1936年(昭和11年)です。私たちの大西先生と同じ歳です。
その後1983年に釧路出身の建築家 毛綱氏の設計により、釧路市立博物館と改称された新館が完成しました。建物のデザインは、タンチョウが翼を広げた形をイメージして表現されていて、第36回日本建築学会賞を受賞しました。
大西先生の講義アナウンスとともに、3階まである展示場を周りました。
1階のエントランスでは、シベリヤから発掘された「氷期の使者 マンモス」の標本が歓迎してくれました。

マンモスは、更新世の後期(約37万年前から1万年前頃)に、ユーラシア大陸の北部から、北アメリカなどの寒冷地に生息していました。北海道へは、今から約3万年前のウルム氷期に、陸続きとなったユーラシア大陸から渡って来たとも言われています。
ここ釧路の大地を、雄大な牙を持つマンモスたちが闊歩していた姿を想像してみてください。
ミズコケ湿原の植物たち。珍しい生物や植物に興味深々の学生たち。
現上皇様が平成天皇になる以前の皇太子殿下時代に、釧路市を訪れた際に市立博物館のご案内役をされたのが大西先生だったそうです。上皇様がお聴きになった解説を、長い時が流れ、学生たちにも聴かせていただきました。
(紅いお帽子を被った美智子妃殿下とお話をされているのが、若き日の大西先生です。左側、後ろ姿の上皇様とお話をしている方々は、大西先生の息子さんたちだそうです)

大西先生の具体的な解説を聞きながら、釧路市立博物館を堪能する学生たちでした。
北海道の道東の交通・産業の拠点都市として発展して来た釧路市。私たちの住むこの美しい街の理解が一段と深まった一日でした。